いけ『ねこむすめ道草日記』1巻

ねこむすめ道草日記(1) (リュウコミックス)

ねこむすめ道草日記(1) (リュウコミックス)

 片田舎の山間の町を舞台に、猫娘の黒菜を主人公に、様々な妖怪や人間達との触れ合いを描く作品。

 人間のことが気になって仕方なくて、その感情の正体が分からないまま人間の周囲をうろちょろする黒菜と、そんな黒菜の周りでこれまた自由に生きている妖怪達。大きな物語の動きはないけれども、妖怪同士の掛け合い、人間との微妙な関わり方を見ていると何とも微笑ましく、心和むものがあります。

 そんなほっこりとした空気の作品ではありながら、なかなかお色気、というかサービスシーンが満載なのが心憎い。
 エロ河童にスクール水着をはじめとして様々な着替えを強要されたり、おっぱい鷲掴みにされたり、垢舐めに全身をなめ回されたり。尻尾を掴まれた反応が妙に艶めかしかったり、薄い胸元を覗かせる微妙なアングルが多めだったり。
 エロ――というのとはまた違った趣のある、可愛らしい、でもちょっとフェチっこいお色気がたまりません。

 ともあれ。
 どこかノスタルジーを刺激する自然の多い舞台、ユニークで憎めない妖怪達の造形、そして、エッチな描写もありつつ可愛い黒菜。色々ありますがとにかく「画」が素晴らしい。
 龍神賞で絵柄を安彦良和に激賞されてデビューを果たした作者でありますが、この独特で、それでいて可愛らしい絵柄は実に実に魅力的であります。表紙のイラストを見て心が動いた人なら間違いなく買い、でしょう。