「good! アフタヌーン」初号
good (グッド) ! アフタヌーン 2008年 12月号 [雑誌]
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2008/11/07
- メディア: 雑誌
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アフタヌーン新増刊。増刊だから本誌より尖った作品が多いのかな、と思っていたのですが、結構ベテラン勢がその作風を発揮した作品が多くて、寧ろ新人・新作をこのごろ意欲的に投入している本誌よりも保守的な印象も。
個人的に特に好きだったり気になったり単行本が出たら買うなあ、というのは以下の作品。
石川雅之「純潔のマリア」
キリスト教がその土地の土着の信仰を塗りつぶして版図を拡大した後の時代、「魔女」と位置づけられたまつろわぬ者達の反抗の物語――という『カタリベ』や『人斬り龍馬』などで見せた歴史の狭間に飲み込まれた者達を描く作品かと思いきや、おぼこな魔女の恋愛戸惑い勘違いコメディだったという。
いや勿論前者的な要素も多分に孕んでいますし、そっち方面の展開もしそうですが、取りあえず第壱話はそれを装ってコメディとしてはっちゃけたのにひたすら「やられた!」感があって非常に楽しゅうございました。
太田モアレ「鉄風」
何をやっても上手く出来てしまう故に常に退屈を感じる天才肌の少女と、真面目に前向きに頑張る格闘少女。二人の出会いから始まる物語。
天才少女の性格の悪さというか、歪な人間観察の視線と、格闘少女の真っ直ぐさの対比。これが二人のビジュアル的な対比と併せて描かれていて実に鮮やか。何でもできるくせに「充実している人間は許さない」とか決意してしまうヒロインの精神の歪さにぞくぞくします。彼女のキャラクターが今後どう転がっていくか楽しみ。