小竹田貴弘『怪異いかさま博覧亭』3巻
怪異いかさま博覧亭 第3巻 (IDコミックス REXコミックス)
- 作者: 小竹田貴弘
- 出版社/メーカー: 一迅社
- 発売日: 2008/12/09
- メディア: コミック
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実にプリティな妖怪達、話に密着した江戸・妖怪への愛ある描写、見世物小屋の面々のすちゃらかでにぎやかな生活とその中に時折見える暖かな人情と。
いやー、安定して面白いですなあ。
この3巻は付喪神達をフィーチャーしたエピソードが多いですが、彼等が楽しげでおばかさんで、そのラブリーさ加減は大変なもの。みんな実にいい笑顔をしております。
どんどんヒロインの座を滑落して、今やすっかりお笑いキャラの地位に落ち着いている蓮花、その代わり(?)にヒロイン度が上がっている八咫など、他のキャラたちもやっぱり魅力的で、榊をとりまく人々・妖怪達の周りは騒がしくも楽しく、なんだかんだで絆を感じさせる暖かさがあるのでした。
「同じ釜の飯を食った者は家族」、作中で榊本人も言っている通り使い古された言葉ですが、お笑いエピソード尾の中で、さり気なくその言葉の重さを織り込めてしまう辺りやっぱり巧いなあ、と。そんなイイ話エピソードをギャグで締めちゃう含羞も、全体の印象をかろやかでかわいいものにしていて好きです。