睦月のぞみ『ゾンビロマンチシズム』
ゾンビ ロマンチシズム (まんがタイムKRコミックス エールシリーズ)
- 作者: 睦月のぞみ
- 出版社/メーカー: 芳文社
- 発売日: 2008/12/12
- メディア: コミック
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ゾンビ嫌いの少女が恋をした先生は、実はゾンビだった――死者をゾンビとして甦らせ労働力として生活の中に組み入れた社会で展開するちょっと素直じゃない、でもピュアな恋愛譚「ゾンビロマンチシズム」
ゾンビの少女に恋した少年が彼女に近づくべく取った行動、それに対してゾンビ少女は――「リサイクリングビューティ」
殺人現場で出くわしたのは刀を持った血まみれの少女。気が動転していきなり「好きだ」と告白してしまった少年の運命や如何に――「人斬り恋愛ロジック」
憧れの先輩とともに惚れ薬を完成させた微科学部員。その薬を飲んだ先輩が最初に目にしたのは「壁」だった――「微カオスチックエンター」
死後の世界で妖怪やらお化けやら都市伝説モノやらが通う学校で、トイレの花子さんとのラブを描いた「逢魔が刻の僕と君とアレとアレ。」
担任の先生は猫耳だった――タイトルまんまの「3年B組猫耳先生」
以上6編、人外とのラブストーリーを収録した短編集。
人外キャラやギャグなどで恋愛譚のこっぱずかしさをは「変」という方向にぐらかしつつも、最後にはやっぱりこっぱずかしいくらいのラブに着地してしまうという、何とも妙な味わいのあるファニーなラブコメ。 ラブ三コメ七、といった感じの明るさ、スマートな線のすんなりと手足の伸びた女性キャラがとっても魅力的。
表題作と「リサイクリングビューティ」は、被差別者であり、また失われ行く存在としてのゾンビとの恋愛という同じ世界観の似た境遇の話を描きながら、を一方はギャグを交えて明るくポジティブに、もう一方は重く切なく描いていて、その対比が面白うございました。
過去の作品の妙な味わいそのままに、更にポップでヘ変さと甘さを増した印象でありますよ。