カトウコトノ『将国のアルタイル』3巻
- 作者: カトウコトノ
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2008/12/22
- メディア: コミック
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マフムートが次に訪れたのは城壁に囲まれた港湾都市・ポイニキア。そこで再び帝国の戦に巻き込まれるマフムート。帝国のトルキエ進行を阻むためにポイニキアへの助力を決意したマフムートだが――。
古の帝国の末裔の自負から地の利を恃んで帝国との開戦を宣言したポイニキアVS新興の帝国として併呑した諸国の軍勢を使って攻めかかるバルトライン帝国。
ポイニキアは主戦派と非戦派がありながら主戦派に押し切られ、バルトライン帝国の無理押しの最前線に立たされるのは正規軍ではない属国の軍隊、とどちら一勢力の中に様々な立場の人間を抱え込み、侵略する強者とされる弱者、といった単純な図式ではない様々な思惑と物語が交差する戦争として描かれます。
そして、バルトライン帝国に勝った「英雄」として利用されたマフムートもまた「自国のために」ポイニキアへの助力を決意。
戦での駆け引きと、人の上に立つ者達の姿を見たマフムートの目には、青臭い正義感だけではない何かが兆しはじめております。
少年将軍の成長譚であるのと同時に、大きなうねりを見せる歴史物語。いやぁ、この3巻も実に実に面白かった!