ツナミノユウ『シュメール星人』1巻

シュメール星人 1 (ヤングジャンプコミックス)

シュメール星人 1 (ヤングジャンプコミックス)

 地球にやってきたシュメール星人達は、最初は話題になったものの、地球より文明レベルが低いことがはんめいして、やがて扱いはほとんど難民並に。そんな彼等の中から一人のシュメール星人が「文明ふれあい大使」として日本で2年間過ごすことに。
 ――早い話が「日本で暮らすのに害が無いかテストケースとして見てやろう」という提案であり、それに選ばれた一人のシュメール星人の悲しくも可笑しい生活の記録。

 とにかく切ないシュメール星人の日常。真面目でいい人なのにちっとも報われない不器用さというか間の悪さというか――現代社会の軋轢の中でもがき、貧乏くじを引き続けるその姿はとても悲しく、しかし大変にユーモラスであります。
 宇宙人なのに小市民的、誰にも「宇宙人」として気にされていない辺りがまた哀愁を漂わせます。
 ああ、なんて面白切ない。