水上悟志『戦国妖狐』2巻
- 作者: 水上悟志
- 出版社/メーカー: マッグガーデン
- 発売日: 2009/02/10
- メディア: コミック
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ひねくれた主人公に前に提示される「ぶれのない生き方」。これに対して主人公どう向き合い、そしてどのように変わっていくか、彼が持てる「力(或いは才能)」をどう活かして行くのか、というのは水上先生の作品の中で繰り返し描かれるテーマの一つ。
この作品の中でも迅火は「世直し」という大目標を掲げ言動に揺らぎのない妖狐の姉・たまを前に自問自答を繰り返し、人と闇それぞれの多様な生き方を見て、人間に対する考え方と、自分と姉だけだった世界に広がりを持たせていきます。
この2巻で激しい戦いと別離を経て新たな仲間を得た迅火一行。そして出現した強大な敵を前にして迅火がどう変わっていくか。仲間達が彼にどう影響を与えるか。どんなドラマを見せてくれるか、非常に楽しみであります。
このようにものすごく真っ直ぐに、そして骨太に主人公の成長譚を描きながらも、要所要所でガクっとすかすファニーなキャラクター達がたまらなく魅力的。このバランス感覚は素晴らしいなあ、巧いなあといつも思うのです。
『戦国妖狐』2巻 173P 第12回「出立」より
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