犬『初犬3』
- 作者: 犬
- 出版社/メーカー: 一水社
- 発売日: 2008/07/11
- メディア: コミック
- 購入: 16人 クリック: 189回
- この商品を含むブログ (19件) を見る
記憶喪失になった主人公を巡って続く藤乃と三田の女の戦い。この三角関係に果たして決着が付くのでありましょうか――というわけで、完結巻であります。
元々藤乃と恋仲だった主人公・深谷が記憶喪失となったことにより、そこを利用して恋人の座に就こうとしていた三田さん。しかし、深谷と藤乃の真の愛の力に再び敗れてしまった彼女の切ない想い、恋のライバルである藤乃との奇妙な友情を中心に描く今巻。
深谷を躰でつなぎ止めようとしたり、失意のまま別の男に身を任せたり、再び藤乃を交えて3Pしてみたりと三田さんがメインを張るエピソードが非常に多くなっております。
一時的な記憶喪失になっているとはいえ、深谷と藤乃の間は固まってしまっているわけで、そこに挑もうとしてる深谷さんのドラマに絞って描くことでお話的にもH描写にもメリハリが出ております。
藤乃のキャラクター性とエロスで牽引してきた作品だけに、藤乃の出番が相対的に減っているのは少し寂しい気も。いやまあ、個人的には三田さんも好きなので良いのですが。メガネですし。
男一人に二人のヒロインの関係が上手くいくというエンディングはご都合主義的な感じだけどエロ漫画だしそれもまあいいか、という感想に落ち着くことが多いですが、本作の場合は藤乃の不思議なキャラのお陰で不自然さは大きく緩和されております。
「大人のおもちゃ好き」という藤乃の設定に解を与えないで不思議は不思議として残したことが三角関係の軋みを吸収してなお余りある包容力をキャラに与えたという感じ。
前2巻と同様可愛い絵柄に激しいH描写は相変わらずなので、「2」まで買ってる人はどうぞ安心して結末を見届けて下さいな。